不意打ちエンドロール
一ヶ月ぶりの返信に、私は胸を躍らせた。
4月に舞い上がってから5月に一度返事が来て、またそれきりになっていたけれどそれが彼らしいし、繋がった某えすえぬえすのせいで少し余裕ができていた。
追伸の文字に私の心臓が掴まれた。
彼に彼女ができたらしい。
いろんな可能性があったのに、彼に彼女を作る気がないこと。7年くらい彼女がいないこと。心に闇を抱えていること、そういう部分を見てきてその可能性は極めて低いものだと思っていた。
だから、帰ってきてからでも、と。
彼女はとてもウブらしい。
しかもあの人から彼女に告白したようた。
あんなにも食に執着がなかった彼が彼女に料理を作るらしい。
泣きそうになった。
むしろ泣きそうになった程度でよかった。
そんな長い期間特定の人を作らなかった彼が自ら行動するまでの彼女とはどんな人なんだろう。
彼が作る気ないから、長年いないから、心に闇を抱えているから私とそういうことにならないのではなくて、私とは違うからそうならないのだ。
それでも、理解ある友達のふりをして相談を乗る自分が醜くて恐ろしい。
そして自分も傷付くのに、いろいろ聞いてアドバイスして、いったい何がしたいんだろうね。
計算高い寂しい女は、彼の友達として隣にいることを選んだ。
大馬鹿者だ。