貴方へ。
柔らかい笑った顔が好きだった。
電車で初めて喋った時、別れ際に会釈してくれたこと。
私が立ってたら、座れる別の場所を探してくれたこと。
わざわざ早朝に君と30分でも一緒にいたいから早起きしてその電車に乗ったこと。
わざと残業して電車の時間を合わせたこと。
時間が合わなかった時に、謝ってくれて。また次は一緒に行こうって言ってくれたこと。
19の頃の記憶が蘇る。
髪型を変えた時、アピールしたらずっと見つめた貴方、視線が耐えれなくて見ないでって言った。
当時通ってた専門学校のジャージを着て見せてくれたり、妹さんの話をしたり。
他愛もない会話が楽しかった。
好きだった。
彼がいたから、早起きも残業も辛くなかった。
そのことを貴方は知らないだろうけれど。
告白の言葉は覚えてない。
けれど、貴方の答えは冗談じゃなくて?と焦っていて、私のことは友達としか見れないから付き合うことは出来ません、と言った。
それだけは覚えている。
あなたは、そのことを覚えてる?
私が三ヶ月前、連絡した時。
そのこと覚えてた?