蘇る二年、遡る記憶
懐かしい人が私の前に現れた。
ににの友達。
本当に人はビックリすると言葉にならないんだなと思うくらい、驚いて声が出なくて。
覚えてる?と言われて、覚えてるのに、名前も分かってるのに、言えなくて本当に驚いた。
夜にまた出会って、お互いの近況報告を話して。
笑って。
ににの話も少し。
相変わらず一人で、フワフワしてて。
でも、あの頃別れずに付き合い続けて結婚しても、きっとうまくいってなかったと思うよ。
そう言われた。
ににと付き合いの長い彼の言うことだ。
あながち間違ってはないだろう。
私達は別れた。
それはお互いに問題があったから。
自分を正当化する気はないけれど、きっかけを作ったのは私だけどいずれそのことがなくてもいつかきっと私は爆発していたかも、と思うのだ。
ににには譲れないものがあって、私にも許せないものがあってそこが一つのものとしてぶつかっていた。
私は受け入れたふりをしたけど、きっと彼が隠していたことを知ってからどこかで彼を信用していなかった。
きっと。
それから、体は彼を受け入れるのを躊躇してて、泣いたこともあった。
ごめんね、
したい。って、言ってくれた時、緊張したかな。
断られたらどうしようと思ったかな。
そんなことを言わせてごめん。彼氏なのにね。ごめんね。
好きだったのに、ごめん。
大事にしてあげれなくてごめん。
私は今これが罰も言うなら受け入れるよ、この状況を。
人を大事にしてあげれないのなら、人からも大事にされない。
そう思うようになったのは、ににと別れてからだ。
ごめん。
何度かににを思い出すと、たまに泣き出しそうなる。
きっといっぱい傷付けた。
あの子からににの話を聞くて胸が辛い。
不器用で不精で、無口で、なかなか心が開けなくて。
前ほど会ってないと聞いて心配になった。
寂しくしてない?
一人ぼっちになってない?
彼には自由にしてほしい。
私にはどうもしてあげれないけど、きっと戻ったところで私たちは同じ壁にぶち当たるから。
何もできなくてごめん。
私は、ににに幸せになって欲しいのだ、どうか。
忘れかけていた2年間の記憶が走馬灯のように蘇る。
楽しいこともいっぱいあった。
辛いこともいっぱいあった。
結果的には別れてしまったけど、嫌いになったことは一度もなかったよ。
幸せにしてるよ、家族ができたよって、いつか聞かせてください。
遠くからににの幸せを願っているよ。
そしてににと別れても、今日の黒さんやににの周りの人が変わらず私にも接してくれることがたまらず嬉しい。
ににには、あたたかい人がたくさんいるよ。
どうか私より先に幸せになって。